スターンのヴァイオリン、カザルスの指揮で大バッハのヴァイオリン協奏曲イ短調を聴いてます

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スターンのヴァイオリン、パブロ・カザルスの指揮、プラード祝祭管弦楽団の演奏でバッハのヴァイオリン協奏曲イ短調聴いてます。

 

カザルスの指揮はやはり太めの音響をオーケストラから引き出し、作曲者の顔から見える性格を投影させているかのようです。

それと同時に管弦楽団の方はというと、とても深いという訳ではありませんが、どこか内面に凝縮された深みを表現していますね。

 

スターンのヴァイオリンはというと、バッハの持つ音楽で感動させるという特質を直接的に訴えかけています。それと同時に旋律の線をくっきりさせ過ぎずに少しぼかしています。そうする事で感傷的でもあり、心に突きさして感動させる力をも生んでいます。

 

この演奏は1955年のモノラル録音であるため、音質面で年季の入った古さがあります。しかしながら鑑賞には充分耐えられるものであり、かえって歴史感や味わいを感じられます。

 

ちなみに、このヴァイオリン協奏曲は作曲者がケーテンにいた頃すなわち1717年から1723年頃に作曲、この時はバッハの最初の妻が1720年の夏に急死してしまいました。このコンチェルトはさらに具体的な成立年は不明ですが、その時の悲しみと追悼も兼ねて切なさのあるイ短調で作曲をしたのかもしれません。

 

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