ヨーゼフ・シュトラウスのオーケストラの曲を聴きました

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ヨーゼフ・シュトラウス作曲の管弦楽曲の全集を聴いてます。

 

彼はワルツ王で名高いヨハン・シュトラウス2世の弟で、音楽家の一家に生まれました。父はヨハン・シュトラウス1世、これまたワルツで名高く、現在ではラデツキー行進曲で有名です。

 

そんなヨーゼフ・シュトラウスは元々理系の大学を出て工学技師をやってました。しかし、ヨハン1世が若くして急死、兄のヨハン二世が父の仕事を一気に引き受けて多忙となり、過労死寸前までになりました。その為、その代理を弟が務めなくてならず、音楽家に転身です。元々、ヨーゼフも音楽教育を兄同様に受け、技師だった頃から趣味で作曲をしてました。その時から彼の音楽は評価されていた為、ヨハンの代わりもすんなりできたのです。

 

残念ながら、ヨーゼフは1870年に47さいで兄ヨハン二世よりも早く亡くなりました。兄よりも生涯は短かったものの、何百曲もの音楽を残しています。

 

さて、彼の曲はと言いますと、ヨハンよりも幅が控えめな作風となっていて、その分小洒落ています。堂々たる王の風格を持った作風がヨハン二世にはある分、兄の方が目立っていますし現在でも兄の作品の方が良く演奏される為、弟の作品はその影に隠れがちな傾向にあります。ですが、弟にもそれなりの良さがあり、ヨーゼフは初期ロマン派の音楽、特にシューベルトの影響を強く受けました。故に、詩情も豊かで深みが兄の作品以上にあります。小粒ながらもピリリした味わい、凝縮された音響が独特の味わいを生んでいます。

 

そんなヨーゼフの曲をアルフレート・ヴァルターはスロバキア国立フィルハーモニー管弦楽団を率いて演奏、実に端正でまとまりよく披露しています。特に弦楽器群の明晰さは印象的です。それでいてオーケストラ全体が見事に調和していて、お互いに溶け合った美しいメロディを聴かせています。

 

 

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