交響詩「死の島」をアシュケナージの指揮とコンセルトヘボウの演奏で

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ウラジーミル・アシュケナージ指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏でラフマニノフ作曲の交響詩「死の島」を聴いてます。

 

怪しげで悪魔の様な囁きを事細かに表現出来ています。

それでいて、情緒的な温もりや広大な広がりがあり、音響にも膨らみがあります。

各楽器の息遣いや音の奏で方の一つ一つにもにも丁寧さが伝わり、じっくりと醸成させているかの如き深みを感じさせます。

 

弦楽器の響きは打ち寄せては引いていく波を彷彿させます。要するに、そのような緩やかでうねりのある音楽を展開させているのです。

 

管楽器に関しては暗い雰囲気の中にちょっとした光を添えた色彩を添えています。

 

金管楽器ティンパニはそれらに加えて揺るぎない重層な旋律とハーモニーを支える役割を果たしていて、全体に濃厚な響きをもたらしています。

 

総じて、この交響詩では短調で揺蕩いながらも美しく流れるラフマニノフの旋律美を讃えた演奏となっているのです。

 

ちなみにこの曲は1909年に作曲家が36歳の時の作品です。彼は「死の島」というモノクロの銅版画から着想を得て、その元々の色彩を想像しながら作曲を進めていました。モノクロのものを見ていただけの事もあり、さほど彩色は表れてないです。ですが、ラフマニノフ本人がその原画を見て予想以上に色が明るかったのを知ったのです。その時、彼は原画を見てたらあの交響詩は作曲してなかったとの事です。

 

 

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