ボニング指揮、ニューフィルハーモニア管弦楽団の演奏でドリーブのバレエ「シルヴィア」

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ドリーブ作曲のバレエ「シルヴィア」をリチャード・ボニングの指揮とニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏で聴いてます。

 

響きの質そのものはドイツ的で厚い管弦楽のハーモニーが特徴的とフォーレ以前の典型的なフランス音楽の典型となっています。サン=サーンスと同年代ですが、壮大過ぎずに優美に淑やかな品格で音楽を展開しています。耳触りが控えめながらも、柔和な広がりを聴かせています。

 

特に木管楽器の音遣いが細やか。弦楽器群も繊細に音を紡ぎ出していて、他の属性の楽器との絡み合いも上品です。フランスのロマン派の美を極め、トライアングルやハープも上手に登場させてますし、ベルリオーズの色彩感を更に美的に造形出来てます。ファゴットの音色もよく聞こえてますし、その特色を活かした味を利かせていて、妙な良さが出ています。

 

金管楽器ティンパニ・シンバルもお祝いの花を添えるかの様に綺麗な響きをしていますが、出しゃばり過ぎや鋭すぎになってないです。それらを程々に響かせてる辺りにドリーブらしさがあり、それを彼の華の極地にしている指揮と演奏には感心です。

 

ちなみに、ドリーブはフランス・バレエの父と一般的には見做されています。その名前自体は一般的には無名でも、彼の曲は同じバレエ「コッペリア」の中の一部の曲がダントツで有名で、クラシックを知らない人もソフトバンクのCMなどで聞いた事あるってなる人も居るかと思います。ですが、この作曲家は広い意味でオペラを20曲以上も作曲した音楽家で、バレエ音楽は先の二曲の他には「泉」しかありません。それと、フランスの歌劇はバレエを盛り込むのが慣習である為、広い意味でバレエの音楽を作曲、その質の高さ故にフランス・バレエの父と呼ばれているのでしょう。

 

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