上原彩子さんのピアノでムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」を聴きました

上原彩子さんのピアノでムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」を聴いてます。

素朴に自然な音の調べを吐露した演奏となっています。

ムソルグスキーといえば、完成した作品数自体が少ないながらも当時としては和声面などで大胆な先進性で多くの作曲家に影響を与えました。

そんな鋭利な一面も時には発露させていて、この音楽家の特性をピアノという分野で自ずと表せているのです。

緻密で小粒な音から荒々しく鋭いまで音出していて、ムソルグスキーのピアノ音楽のちょっとした集大成にもなっています。

それと、この曲を演奏するに当たって上原さんはリストの作品の様にピアノという楽器をオーケストラを響かせていません。ピアノはピアノである以上それに見合った規模があり、その身の丈に合った音楽で「展覧会の絵」を奏でていて、しなやかに且つピンと筋を伸ばして旋律を生み出しています。私の主観に過ぎませんが、ムソルグスキーらしい泥臭さがありません。この曲が色々な作曲家によって管弦楽に編曲されるとはまさか思えない程です。

ピアノという鍵盤楽器らしさを十分に活かし、室内でじっくり聴ける詩的な味わいのある録音です。

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