チャイコフスキー作曲のピアノ協奏曲第2番を聴きました

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チャイコフスキー作曲のピアノ協奏曲第2番を聴きました。

 

ヴィクトリア・ポストニコヴァのピアノとゲンナジー・ロジェストヴェンスキーの指揮、ウィーン交響楽団の演奏です。

 

オーケストラは幅広くふっくらとした音響です。出来立てのパンの様な膨らみと温かさを感じさせるのです。柔らかめで耳触りの良い演奏となっています。

 

ピアノの方も音を強めても鋭すぎず、音を弱めても柔らかすぎない中庸なさじ加減の響きが冴え渡ります。チャイコフスキーの個性たる憂鬱な美しさを的確に輝かせているのです。音の静かな所では、瞑目の調べで彩りを添えていて、全体的にフラットさが際立つのです。

 

それから堂々たる風格を管弦楽は度々奏でていて、それに呼応してポストニコヴァのピアノも壮大に偉大さを持って旋律を紡いでいるのです。

 

この二人は夫婦でよく共演していますが、そんな家庭的な温もりのある息の合った演奏をこの録音でも堪能出来ます。

 

ちなみに演奏時間の方はと言うと、第1番が約40分であるのに対して、この第2番は約50分と長いです。

前者の方が演奏機会が圧倒的に多く、後者は滅多にコンサートで取り上げられません。ですが、前者にはない明るめな壮大さが後者の持ち味であるため、もっと人気があっても良いのかなと思います。

なお、このピアノ協奏曲第2番は1879年から1880年に作曲、チャイコフスキーの友人のピアニストのニコライ・ルービンシュタインに献呈されました。しかし、結局ニコライは初演前に病死してしまったのです。第一番では献呈を拒まれて第二番で受け入れてもらっただけに、とても残念な事です。

 

 

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