サバタ作曲のバレエ組曲「千夜一夜物語」をシャイーの指揮で
ヴィクトール・デ・サバタ作曲のバレエ組曲「千夜一夜物語」を聴きました。
リッカルド・シャイー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽の演奏です。
気鋭さと活気に満ちている一方で色気のある色彩感が実に魅力的であります。
芳醇な気品と優雅な音響を醸し出した充実感ある演奏です。
サバタは1892年にイタリアで生まれた作曲家である為、同国ならではの軽くギザな気質や輝く太陽の熱も当然盛り込まれています。シャイーはそんな性質も反映させた上で、イタリアらしさも出せていますね。
それから、作曲者の出身国の事もあり、ヴェルディの様な芯の強さとレスピーギの様な極彩色を燦然とさせていて、ロッシーニのオペラの録音をシャイーが残していただけのことはあるなと思いましたね。
他にも、アメリカ音楽すなわちジャズなどの色が濃く、ガーシュウィンからの影響も伺わせます。1929年の世界恐慌より少し前くらいに作曲されました。
この千夜一夜物語はあのアラビアのものとは別物で、舞台はアメリカで異国の君主の王子と女優の恋を描いたバレエ音楽です。うろ覚えですみません。この録音はそれを組曲として抜粋したものとなっています。ミュージカルの様な軽いノリもあり、その踊りの躍動感も連想させます。
なお、サバタはラヴェルの歌劇も初演してそれを成功に導いた事もありました。その点からは両者の親交があったとも考えられます。道理でどこか整った精緻さがあるのはその為かもしれません。
この曲はサバタの管弦楽曲の中でも最大級の規模であり、その全曲の演奏がもっと普及して聴くことが出来ればと思っています。
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