プロコフィエフ作曲のバレエ音楽「シンデレラ」を聴きました
ミハイル・プレトニョフ指揮、ロシア国立管弦楽団の演奏でプロコフィエフ作曲のバレエ音楽「シンデレラ」を聴いてます。
そうです、おとぎ話で有名なあのシンデレラの舞台のバレエ版をプロコフィエフが作曲したのです。
プロコフィエフと言えば、冷笑の鋭さとエマヌエル・バッハ張りの癖のある拍子を私は連想します。
ですが、この録音ではそこまでその傾向は強くなく、おとぎ話の性質を尊重するかの様に優しく語りかける息遣いと温和な音質を感じさせます。
北欧的な情緒を充分に活かした演奏となっています。
大衆や体制に迎合して分かりやすく作曲をした意図を重じては、冷静に音響を組み立てています。小刻みな箇所でも丁寧に音を磨いていて、聴きとりやすいです。
1940年から1944年にかけて作曲され、完成の翌年の初演で成功を収めてはスターリン賞を受けただけの事はあります。
ガヴォットなどの伝統的な舞曲を複数入れて踊りの要素を重視した点からは、チャイコフスキーの影響と新古典主義の作曲家らしさも感じさせます。
ちなみに、プロコフィエフは少年時代から舞台音楽と結びついた音楽活動を行っていました。1900年に彼が9歳の時に歌劇「巨人」を作曲した神童でもあります。
オペラの分野では9作品くらいしか完成させられませんでしたが、バレエ音楽や劇付随音楽も含めると数十曲も作曲していて、しかも映画音楽まで作ってます。それらの成立年を見ると、生涯に渡ってプロコフィエフは劇と結びついた楽曲を創作したのです。
青く炎が燃えているかの様な独特の色合いも劇音楽で発揮されていて、その分野でも作曲者が一定の腕前をあげた事も伺わせます。
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