ハイドン作曲のピアノ協奏曲第3番をフェドセーエフの指揮とペトルシャンスキーのピアノで

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ウラディーミル・フェドセーエフの指揮、ボリス・ペトルシャンスキーのピアノ、モスクワ放送交響楽団の演奏でハイドンのピアノ協奏曲第3ヘ長調を聴きました。

 

フェドセーエフといえば、ムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」の演奏を思い浮かべます。それは泥臭くて情緒面で不安さもある作曲者の個性をありのままに引き出していて、私は中学時代に初めて聴いて衝撃だったのをよく覚えています。

 

しかし、この録音ではそのような一面とは違った暖かい抒情性が含まれていて、聴いていてほっこりとします。寒い中で暖炉のそばに居て温まるかのような和らぎとそれに伴う人の活気を感じさせます。作曲者の人情味をしみじみと音にしています。

 

ピアノの方も鍵盤の当て方が丁寧で内面的な美しさを原石のまま光らせているかのようです。それでいて、しっとりと染み渡るような浸透感を響かせています。暖かい空気が空間を巡るかのようです。

 

なお、このピアノ協奏曲第3番の編成はピアノソロと弦合奏で、任意でホルンとも入ります。私としてはその音を入れた方がオーケストラの色合も良いだけでなく、ホルンという太めの音響が一層味のある合奏となりますね。ちょっとした香辛料のような役割をホルンが果たしているのです。

 

それから、ハイドンのピアノ協奏曲第11ニ長調の方はオーボエ・ホルンが必須となってますが、その作曲に伴って第3と第4の協奏曲に管楽器のパートを加えたのでしょう。

 

この録音ではありませんが、購入はこちらから。