イェネー・ヤンドーのピアノでハイドンの幻想曲ハ長調

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イェネー・ヤンドーのピアノでヨゼフ・ハイドン作曲の幻想曲ハ長調を聴いてます。

 

ハイドンのこの曲は自由なソナタ形式でもって曲を展開していて、宮廷の貴族たちを和ませる為に聴き心地良く明るくリズム感もある快活な作品となっています。

 

ハイドンのピアノ音楽というと、あまりピンと来ない人も少なからずいるのではないかと思います。それも無理はないです。何故なら、彼の作曲家としての修行時代から全盛期(エステルバージ家に仕えた1750年代から1780年代)はピアノが現代のような常識ではなく、彼にとっては鍵盤楽器といえばピアノの前身の楽器、チェンバロないしはクラヴィコードが当たり前だった為です。

一般的な音楽家はピアノを習い、それを元に作曲も勉強したり行ったりするのですが、ハイドンの場合はチェンバロでやってました。

 

チェンバロはピアノと似たような楽器ですが、弦を弾いてざらりとお洒落に音を鳴らします。しかしピアノとは違い音の強弱は付けられず、ペダルで音の調整も出来ません。その為、ハイドンピアノ曲をピアノで演奏してもまるでチェンバロを弾くノリで演奏することになります。モーツァルトベートーヴェンのピアノ音楽と比べてもさほど表現の幅は大きくなく、強弱のつけ方・音の深みはあまり無い為、何処と無く簡素な印象を与えます。ヤンドーの演奏もそんな感じですし、淡々と奏でてるようでしみじみとした味わいを出しています。

 

私はそれはそれで良いと思いますし、カフェとかでホッと一息をついたり、ちょっとした食事をしながらさらりと聞くのには適しているかと思います。その点はモーツァルトベートーヴェンなどには無いハイドンピアノ曲の長所ですね。ひたすらエステルハージ家にお仕えして貴族たちの耳を癒したノウハウが凝縮されていると言えます。

 

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