フルトヴェングラー作曲の交響曲第2番を自作自演で。

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フルトヴェングラー作曲の交響曲第2番を聴いてます。シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏、作曲者本人の指揮による1954年の最晩年の演奏です。

 

作風は後期ロマン派で半音階による攻撃的で不安な色も出ています。チャイコフスキーの様な情緒的な音色もあれば、プッチーニのトスカの様な切ない旋律も登場しています。

 

この曲に関しては、以前アルフレート・ヴァルターの指揮でも聴きました。それと比べると、フルトヴェングラー自身の指揮では更に壮麗で都会のビル群が高く聳え立つ有様を彷彿させます。更にブルックナー的な広大さと同時に大きく膨れ上がった響きを出しているのです。

 

それだけでなく幽玄さや起伏の大きなうねりをしっかりと出しています。

 

それから、曲の静かな部分ではワーグナーの楽劇「パルジファル」と似た厳かで神聖な雰囲気も醸し出しています。

 

総じて言えば、作曲者本人の学びが結実した大作です。

 

この録音では、とりわけ音楽家フルトヴェングラーの個性が遺憾なく発揮されています。トスカニーニが厳格な推進力でまとめ上げたのに対して、フルトヴェングラーはロマンチックに多感で変化に富む感情を引き出す演奏を繰り広げました。時には悪魔的で壮大な音響も出していて、この自作自演でその様な特徴を如実に発揮させているのです。

 

それから、この曲はフルトヴェングラー自身が一番気に入っていた作品であると考えられます。何故なら、彼の指揮によるこの曲の録音は現在でまわっているものだけで7種類もある為です。

 

作曲者の亡くなる年=録音年もあり、どこか告別的でもあり、フルトヴェングラーの集大成が凝縮した秀逸な録音となっています。

 

 

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