ブラームスのセレナード第一番をロンドン交響楽団とティルソン・トーマスの指揮で

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マイケル・ティルソン・トーマスの指揮、ロンドン交響楽団の演奏でブラームスのセレナード第一番を聴いてます。

 

ブラームスのならではの渋さは活かしつつ、気さくで明るめな展開をしています。

 

モーツァルトのセレナーデも意識してか、快活さもあり流れ良く演奏を進めているのです。

 

それから、ロンドン交響楽団に特有な音響の豊潤さも生きていて、温和に広々と鳴らしています。

 

セレナーデと言いますと、何語かは忘れましたが、「明朗に」という意味の言葉に由来しています。そこから派生して愛する人の前での歌や演奏を指す音楽となり、モーツァルトの様なセレナーデが18世紀に誕生、多楽章制で何かしらの機会に演奏されるジャンルとなりました。日本語でも小夜曲と訳されるだけに何かしらのイベントの為の夜の音楽を指す傾向にあります。

 

そんなセレナーデの歴史を反映させるかの様に、この録音では柔和さもよく表現されています。それだけでなく、ティンパニとホルンが味を利かせていて夜の音楽だからと言ってウットリさせるだけでなく、メリハリも程よく付いていています。耳に優しく聴き手を飽きさせない工夫がなされているのです。

 

ビオラファゴット等、どうしても他の楽器に隠れがちな音も味わい深く聴けますし、編成は決して大きくないのもありバランス良くオーケストラの各々の楽器も聴き取れます。

 

ファゴットの様に地味な存在の音によく注目する私にとってはとても嬉しいですし、それぞれの楽器の特色を堪能出来る良質な演奏となっています。

 

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