ドビュッシーのフルート・ヴィオラ・ハープの為のソナタを聴きました
ドビュッシーのフルートとビオラとハープの為のソナタを聴きました。
三つの楽器を用いたソナタという形式はバロック音楽ではちょくちょくありました。
その曲は1915年完成とラヴェルらが新古典主義の音楽を作っていた頃でした。その影響もあるのでしょう。ベートーヴェンの様なソナタ形式に縛られずに比較的自由に展開しているところは、バロック音楽の器楽ソナタを意識してたのかもしれません。
しかし、和声やメロディなどの音の作りに関してはドビュッシーの個性そのもので、自由な旋法で不思議と綺麗な水が流れるような美しさを湛えています。
フルートは和らいだ澄み具合で、ヴィオラは少し落ち着いた淑やかな音で奏でています。ヴァイオリンの様に音が高過ぎず、チェロの様に低く深過ぎずという音色を活かせています。
ハープの方はと言いますと、神秘性を醸し出しながらも技巧を所々で凝らし、ドビュッシーの靄のようなハーモニーを演出しています。
総合的には三つの楽器は基本的に対等な関係で旋律を紡ぎ出していますが、ハープの低音がコントラバスの様な縁の下の力持ちで機能していますね。
ちなみに、ドビュッシーはこういう類の室内楽曲のソナタを6つ作って一式にしようとしてました。しかし、チェロソナタとヴァイオリンソナタを完成させた後の三種類のソナタは作曲せずにこの世を去りました。
残念でならないです。こういう奇抜な組み合わせの室内楽曲も他には無いものか、誰か作ってくれないものかと私はどこか期待しています。
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