ミヨーの自作自演で屋根の上の牛を聴きました。

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ベストオブミヨーというアルバムを聴いてます。シャンゼリゼ劇場管弦楽団の演奏とダリウス・ミヨーの指揮、すなわち自作自演の録音です。今回はその中の作品58屋根の上の牛というバレエ音楽を聴いてます。

 

ミヨーといえば近現代の音楽の作曲家であり、中南米の音楽を盛り込んだ陽気さのある音楽が特徴です。

 

この曲はどれもオシャレでキラキラとした華があり、サンバのようなお祭り気分な明るさを醸し出しています。ポピュラー音楽のような親しみ易い音楽も混じっています。それもそのはずです。このバレエは1920年に初演、1913年から17年の第一次大戦中はブラジルに滞在していたこともありました。同国の大衆音楽の影響を受けていたのです。ちなみに、この曲は元々無声映画の為に作曲され、後に屋根の中の牛というバレエ音楽に編曲されてます。

 

しかしながら、陽気さと同時に抒情的な影や普通の調性から何処と無く外れた旋律も聞こえてきます。その辺りを聴くと、やはりミヨーも近代音楽の作曲家である事を思い知らされますし、シャブリエや同世代の作曲家のプーランクからの影響も感じさせます。

 

ミヨーの指揮ぶりは隅々まで洒脱なムードを行き渡らせていて、見事です。

 

オーケストラの方も光と陰の対比が上手く、ポピュラーな旋律と高尚で如何にも近代音楽らしさのある音列的な響きを並存させられています。ミヨーの醍醐味を作曲者の元で正確に引き出せしているのです。

 

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