カザルスの指揮とマールボロ祝祭管弦楽団の演奏で

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パブロ・カザルス指揮、マールボロ祝祭管弦楽団の演奏でバッハの管弦楽組曲を聴いてます。

 

率直な表現で、楽曲の美しさをそのまま音楽にしています。

 

カザルス自身、2つの世界大戦を経験してその過酷さを目の当たりにしてきました。その中で彼自身は平和の大切さを訴え、その手段として作曲家としても演奏家としても音楽による調和を用いました。

 

この演奏でもそんな深い思いと信念、そして各々の団員の丸いまとまりを感じさせています。第2番でのテンポの遅い箇所では特にそう感じます。

全体的には速めのテンポで進められていて、その点からは平和へと導き引っ張っていこうとするとカザルスの牽引力を窺わせます。第1組曲ではそんな側面を見せてました。

 

ちなみに、この管弦楽組曲1707年から1723年の間に作曲されたものの、元々は現在知られている版のものより編成が更に小さく、それ以降にライプツィヒに移住してから音楽愛好団体の為に今の編成に手直ししたいと言われています。

 

こういった変遷を経て精錬された質の高さもマールボロ祝祭管弦楽団は引き出せてますね。しかも通奏低音にはチェンバロではなくピアノを使っていて、別の意味で雅な華やかを演出したバロック音楽となっています。ちょっとした隠し味を効かせているかのようです。大バッハは、ピアノを良いと認めた歴史上最初の大物作曲家ですから、ピアノを敢えて用いることも選択肢の1つとしてはオーケーです。

 

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