アマデウス四重奏団のメンバーとギレリスのピアノでブラームスのピアノ四重奏曲を聴きました
エミール・ギレリスのピアノとアマデウス四重奏団の演奏でブラームスのピアノ四重奏曲作品25を聴いてます。
ギレリスはというと男らしく派手な豪快さで弾くタイプと連想します。この録音に関してもその傾向を見せますが、細やかなタッチでブラームスならではの味わい深さも生み出しています。
アマデウス四重奏団のメンバーの方はというと、滑らかに渋みを出して時として力強く響かせています。室内という小さな枠を超えて広々とした空間に自分たちの音楽を響かせるかの様です。ここの点からは、室内楽曲というクラシック音楽のジャンルの歴史を思い起こします。すなわち、身近な人達だけがちょっとした室内で親しみ合うちょっとした音楽から、大衆的で芸術的な価値の高い室内楽という芸術家による職人の音楽へと発展していった過程を想起させるのです。
どこまでも深淵で耳を涵養される味覚を研ぎ澄ます不思議な感覚を覚えますね。
ちなみに、この曲は1855年から1861年にかけて作曲、ここまで長い時間がかかったのは作曲者が合唱団の指揮者をやっていた頃と重なり、合唱曲の作曲に関心があったためとされています。それから、20代の頃の作品なだけに若気の至りとも言うべき活気や刺々しさもあります。
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