イザベル・ネフの演奏で大バッハのチェンバロ協奏曲第4番を聴きました

f:id:klassischemeister:20200115233355j:plain

イザベル・ネフのチェンバロ、ヴィクトル・デザルツェンス指揮、ローザンヌ室内管弦楽団の演奏で大バッハチェンバロ協奏曲第4番を聴きました。

 

チェンバロのソロが精巧で、技術的な緻密さがよく分かるものとなっています。よくよく聴くと職人的な味わいが堪能出来るのです。作曲者が単に技巧を披露するのではなく、ちゃんと味わって聴けるように作曲した事がよく伝わってきます。そんな意匠を洗練させて音にしています。しっかりと音を噛み締めて奏でているのです。

 

弦合奏は、多少の重みがありつつも一歩一歩をしっかりと踏みしめ、着実に音楽を進めています。それ故に、グッとくる様な聴きごたえのある作りとなっています。芯の太い音響づくりでもって、弦楽器だけながらも偉大なバッハ像を築き上げているとでも言いましょうか。

 

因みに、この演奏は1951年のモノラル録音です。時代的にはチェンバロも現代式のものが使われていて、ピアノの様な力強い音となっています。要するにモダンチェンバロは、音を出す原理にピアノの製作法が応用されていて、時代に合う様に作られてます。力強くハッキリと音を出します。この録音の頃はバッハが生前使っていた様な昔ながらのチェンバロ、いわゆるピリオド楽器は時代遅れで演奏効果が薄いと見做されたのでしょう。サラサラとした耳障りでザラザラと装飾をつけるのはダサいと当時録音した人達は思ったのかもしれません。ですが、現代での当時の楽器の再現でバロックや古典派の音楽を演奏する風潮とは対照的です。私としては同じ演奏家が前者と後者で同じバッハの曲を演奏して違いを講義するという企画もあったら面白いのになと思っています。

 

 

購入はこちらから。