ピエール・コロンボの指揮とイザベル・ネフのチェンバロで、大バッハのチェンバロ協奏曲第3番を

f:id:klassischemeister:20200101203613j:plain

ピエール・コロンボの指揮とイザベル・ネフのチェンバロ、オワゾリール・アンサンブルの演奏でバッハのチェンバロ協奏曲第3番を聴きました。

 

音響がとても太く、ガチガチの現代オーケストラならではの弦合奏でズッシリと音を鳴らしています。音楽の速度は若干遅めです。

 

バロック音楽に於いてもその様な響かせ方をしている点からは、ロマン派以降の管弦楽団の傾向を色濃く反映させていて、これはこれで時代を感じさせるものとなっています。

 

それから、チェンバロの方も力強く音を立てていて、これまたドッシリとした威厳を持って演奏しています。それでいて、チェンバロならではの雅さは損なわれずに鮮やかにマザマザと音を煌めかせています。更に、音符の一つ一つ一つを几帳面に出しています。独特の磨き上げた現代様式の管弦楽によるバロック音楽の極致を編み上げているのです。

 

因みに、大バッハは1729年から1741年にライプツィヒの音楽愛好団体の指揮を取っていました。それと同時に自分の息子や弟子が一流のチェンバロ奏者となっていて、この第3番をはじめとしてそれらを背景にチェンバロ協奏曲を色々と生み出したと考えられています。

しあし、その鍵盤楽器の為の協奏曲の多くが別の曲からの引用、もしくは元々別の独奏楽器のために作られたものです。要するにチェンバロをソロとして用いるために別の協奏曲から編曲したのです。例えば、この第3番に関しては、原曲がヴァイオリン協奏曲でした。

この様な鍵盤楽器の為の協奏曲を世に発表して演奏した事は、バッハの息子やハイドンなどの後年の作曲家に影響を与え、ピアノ協奏曲を主要なクラシック音楽のジャンルにしたのではないでしょうか。

 

購入はこちらから。