アシュケナージのピアノでラフマニノフのピアノソナタ第一番を聴きました

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明けましておめでとうございます。

 

今年もよろしくお願いします。

 

長いこと更新が無くてすみません。

 

さて、今回はウラジーミル・アシュケナージのピアノでラフマニノフピアノソナタ第一番を聴きました。

 

ドンドン掘り下げる様な深みが全体的に満ちている演奏であります。

それと同時に情緒的な暖かみをも混ぜ込んでいて、聴きやすい演奏となっています。ショパンに引けを取らない位に色気たっぷりに憂いな曲線を光らせているのです。

それから、交錯するメロディやハーモニーも実に巧みで、ラフマニノフが卓越したピアニストであった事も窺わせます。

女性的な優しさを含めながらも男性的な野太さでもって幾重にも織り交ぜた旋律群が特徴的な演奏です。

 

ちなみに、この曲は1907年の作曲者が37歳の時に作られたものです。当時のラフマニノフドレスデンに滞在していて、モスクワでの喧騒を逃れる為でもありました。更に交響曲第一番で失敗していて、そこから挽回していくには、静かなところでしっかりと質の良い曲を作ろうとしていたのです。当初ラフマニノフはリストのファウスト交響曲を意識していたのですが、その発想を放棄して純音楽のピアノソナタにしています。その演奏時間は40分弱となっていて、第三楽章の主題は第一楽章のものを使っていて、それらを巧みに変容させて展開させている点に、リストの影響や作曲を思いついた時の面影を感じさせます。

 

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