チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第一番を聴きました

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チャイコフスキー作曲の弦楽四重奏曲1番を聴きました。ガブリエル四重奏団の演奏です。

 

艶が良く出ていて、チャイコフスキーの良さの結晶となっています。

 

時折見せる情熱的な楽節からは作曲者の個性を表出させていて、聴き応えがあります。

 

弦同士の絡み合いも甘く熱情的な昇華を時折聴かせているのです。見事な筆致です。

 

速度の遅い部分では、穏やかな美しさを称えて上品に響かせています。

 

起伏の付け方も巧みで、モーツァルトの作品にもその点では負けていないです。チャイコフスキーモーツァルトを尊敬しその作品からよく学んだ事を反映させています。

 

ちなみに、この曲は1871年すなわちチャイコフスキー31歳の時に作曲されました。弦楽四重奏曲の分野に関して言えば、学生時代に一曲だけしかも一楽章のみ残して以来の取り組みです。

この第一四重奏曲を成立させた当時、作曲者は母校で教師をしながら作曲活動を行い、その名声も勝ち取り始めた頃でした。その中で友人のルビンシテインの勧めで自作のコンサートを開き、その為に作られたのです。

その様な背景もあり、チャイコフスキーの意欲と芸術家として熟達していく展望を感じさせる力作となっています。かの有名なトルストイもこの四重奏曲を生演奏で聴き、感動したというエピソードも残っています。

 

 

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