フランクの弦楽四重奏曲を聴きました
フィッツウィリアム四重奏団の演奏でフランクの弦楽四重奏曲を聴いてます。
壮大に芳しくたゆたうようにメロディを流しています。フランクの交響曲や鍵盤楽器の独奏曲にもあるような作風が生きています。
この曲での音作りは滑らかですし、教会のオルガンの様な深みもしっかりとあります。それでいて、速度の速い楽章では技巧を凝縮させてから音を見事に放出しています。
この室内楽曲は1890年と彼が亡くなる年にに完成、その際にはベートーヴェンやシューベルトの作品を参考にしたとの事です。確かに前者の後期の作品に見られる様な思索で深淵な所および後者の詩的で素朴な歌心に満ちた面も、ちゃんと反映されているなと思います。この作品の初演でフランクは大喝采を得ましたが、彼は聴衆に迎合せずに独自の音楽を追求し続けて晩年になって漸く、作曲家として一般的にも認められる様になっていった相当な遅咲きの音楽家でした。
忍耐と信念の深みという偉大な規模の大きさを感じさせます。しかも、演奏時間が約50分と長い点からも、より一層そんな側面を感じられます。これ程までに長い弦楽四重奏曲はそうそう無いでしょう。
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