プレヴィンの演奏でガーシュウィンのピアノ協奏曲ヘ調を聴きました。

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ピッツバーグ交響楽団の演奏と、アンドレ・プレヴィンのピアノと演奏でガーシュウィン作曲のピアノ協奏曲へ調を聴いてます。

 

テンポの速い楽章ではミュージカルの様な伸びやかで活発な明るい音楽が展開されています。オーケストラの方も音響豊かに愉快さを持って奏でています。

ピアノの方はと言いますと、ショパンの様に淑やかに音を紡ぎ出しては、所々でギザで紳士的な色目を使った音も出しています。プレヴィンはジャズもやってたので、そういうガーシュウィンの楽曲どの相性はとても良い事も窺わせますね。とても生き生きとしています。それと同時に活発な中にもちょっとした深さまで感じさせます。

 

in Fと表記されるだけの事はあり、へ長調ともへ調とも表記されます。ただ、へ調という調はへの音すなわちファの音を中心としてさえいれば後はどの音を使ってもオーケーという音階です。この曲にもロマン派の様な従来のメロディやハーモニーだけでなく、近代的でどこか外れた不安定さもある響きも出ています。それ故にへ調という表記も少なからず見受けられますし、シェーンベルクと親交があっただけの事はあります。

 

2楽章は冒頭のオーケストラの音からしてジャズの上品な色気が漂っています。ジャズバーで聞くようなうっとりさせる世界ですね。クライマックスでも小太鼓とシンバルの音、すなわちドラムスの響きが使われていて、アメリカの国民楽派である事も自覚していたのでは?と思わせますね。

 

この曲は1925年に作曲、その際には自力で管弦楽への編曲も行い、オーケストラの楽員を集めては劇場を借りて試演も行っていました。その分、ガーシュウィン意欲と才能も十二分に感じられますし、ジャズとクラシックを見事に融和させた傑作の1つと言えます。かの有名なラプゾディ・イン・ブルーではグローフェという別のアメリカの作曲家にオケへのアレンジを頼んでいた事を鑑みると、随分と進歩しています。

 

 

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