アンドレのトランペット、パイヤールの指揮でハイドンのトランペット協奏曲を聴きました

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パイヤール管弦楽団の演奏、ジャン・フランソワ・パイヤールの指揮、モーリス・アンドレのトランペットでハイドンのトランペット協奏曲を聴いてます。現代楽器の演奏です。

 

この録音は中2だった頃からよく聴いてました。なんと言ってもアンドレの繊細ながら明瞭に奏でる音が魅力的です。

 

オーケストラの方も温和な音の束が連綿と響き渡り、作曲者のユーモアと同時に穏健な人柄を表すかのようです。古典派のこじんまりとしたまとまりを現代型の楽器を用いて鳴らしています。

 

 

この曲自体は古典的な三楽章制で15分程と、それほど演奏時間は長くはないです。むしろ古典派らしさがあります。その点では協奏曲の分野ではハイドンよりもモーツァルトの方が先進的で相性の良い得意分野であると言えます。それでもなお、簡素な中にハイドンの個性が込められています。

 

 

この曲は1796年に友人のトランペット奏者の為に作曲されました。当時のハイドンは最後の力を振り絞るかの如く、規模の大きいオラトリオやミサ曲に取り組み、音楽家として全うしようとしていた時期です。その当時の事もあり、管弦楽の編成も弦合奏とフルート二本を始めとする2管編成でクラリネット抜きで、トランペット二本とティンパニも含まれます。

その合間の気休めと同時に1791年にこの世を去り、コンチェルトを得意としたモーツァルトを惜しんだり懐かしむという意味も込めての創作だったのでしょう。

 

1800年に初演されました。しかしながらそれは不評で長い事忘れ去られました。それも無理はありません。その当時はベートーヴェンが難聴になりながらも台頭し始め、音楽界も古典派からロマン派へと移行する時期だったのです。その後、1899年に再発見されて1929年にようやく出版され、今日ではソロのトランペット奏者にとっては重要なレパートリーとなっています。一般的にはハイドンといえば、弦楽四重奏交響曲の人であり、協奏曲と言われても一般の人はあまり連想しませんし、そこそこ詳しい人もああ何かあるな程度ですが。

 

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