リスト作曲「巡礼の年第2年イタリア」のダンテ幻想曲をブレンデルのピアノで

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リスト作曲「巡礼の年第2年イタリア」の団で幻想曲をアルフレッド・ブレンデルのピアノで聴いてます。

 

直系でベートーヴェンの影響を受けたというフランツ・リストの側面を率直に表現しているかのようです。幅広く骨太な響きに芯を押し通すかのような力強さでもって推進しています。オーケストラのような充実した音響をピアノという楽器に盛り込ませているような演奏です。

 

それと同時に華麗に音程を上下しては怪しげな悪魔の囁きのような音作りもキッチリ出来ています。静かな音響の部分では、リストといえども技術をひけらかすだけの作曲家ではない、思索を含んだ深い哲学性のある芸術家である事を思い知らせるかのように細やかにしっとりと鍵盤をタッチしています。

 

ダンテといえば神曲という著書で有名です。主人公が極寒地獄のコキュートスに迷い込み、そこから様々な歴史の偉人との出会いと学びを経て、ベアトリーチェウェルギリウスに導かれて煉獄から天国へと行き、神の領域に達して罪が贖われて救われるという物語です。そんな紆余曲折を反映させるかの如く起伏豊かにブレンデルはこの曲を演奏していますね。尤も、このダンテ幻想曲自体は地獄編での凄まじい情景を表現した曲ですが。地獄の中でも天国への兆しと希望をもってそこから抜けようとする気持ちも表しているかのよう心情も感じさせます。

 

 

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