ヤノヴィッツのソプラノ、ゲージのピアノでシューベルトの糸を紡ぐグレートヒェンを聴きました
シューベルトの歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」をグンドゥラ・ヤノヴィッツのソプラノ、アーウィン・ゲージのピアノで聴いてます。
全体的に緊張感が漂っていて、聴き手の注目をギュッと固定させるかの様です。
それと、かの有名な魔王とは違った意味での強張りの糸が張り巡らされていますね。魔王が外向的であるのに対して、この曲は内向的な内なる情熱を表現しています。
そんな歌をヤノヴィッツは鋭く、しかも芯を強めに持って歌っています。ゲージのピアノも淡々とではありながら、ジワジワと細やかに曲調を変えていき、クライマックスを上手に築けています。
なお、この曲の詩はグーレトヒェンが糸紡ぎをしていながらファウストへの思いに彼女の気持ちが揺れ動く有様を描いています。それと同時に糸紡ぎの車の速度や彼女の心情の変化に合わせて曲調も自在に変化する様はシューベルトの歌曲分野での才能を伺わせます。しかも1814年すなわち彼がまだ17歳だった頃の作品です。あの有名な魔王より一年前に作られたのです。ここまで緊迫感のある曲を17歳の地点で作れているなら、そりゃあ魔王も傑作になりますよ。
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