サバタ指揮のストラヴィンスキー作曲の交響詩「夜鳴きウグイス」

 

f:id:klassischemeister:20190822004649j:plain

 

サバタの指揮でストラヴィンスキー交響詩夜鳴きウグイスを聴きました。ストックホルムフィルハーモニー管弦楽団を率いての演奏です。

 

サバタといえば歌劇「トスカ」の名盤で名高い一方、彼の録音は少なくてしかも1950年代の前半に病気してしまった為、録音はモノラル録音しかない上に、録音自体も少ないです。

 

ですが、サバタのレパートリーは古典派から近代までと幅広いです。近代音楽に関して意外と色々な曲を演奏してますし、録音が残っています。今後、次々と発掘されるかもしれないです。

 

さて、今回の演奏は録音が録音な為、古さが際立ち、若い頃のストラヴィンスキーならではの極彩色の煌めきが半減しています。それでもなお、槍で突き刺すかのようなサバタの鋭い演奏には圧巻ですし、この作曲家独自の複雑で細かい闊達な拍子も疎かにはしていません。鑑賞にも十分耐えられる音質は保たれていますし、ふと聴きたくなってしまいます。

 

ちなみに、この交響詩は一時間程度の同タイトルのオペラをオーケストラによる交響詩に短縮させたもので、作曲時期は春の祭典と同じ時期です。そんな作品ですから管弦楽の色彩をふんだんに使っています。その一方で新古典主義に変節する直前の作曲でもあり、ところどころで古典派のような音のまとまりも感じさせてます。自分の作りたい様に創作しながらも当時の新しい音楽のトレンドも盛り込んでいて、そこらへんもストラヴィンスキーらしい趣だなと思わせます。

 

購入はこちら。