エーテボリ交響楽団の演奏とネーメ・ヤルヴィの指揮でグリーグの交響的舞曲を

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エーテボリ交響楽団の演奏、ネーメ・ヤルヴィの指揮でグリーグ作曲の交響的舞曲を聴きました。

 

柔らかな音響を基調として、心に染み渡る情緒で満ちています。感傷的な旋律も度々出てきますし、その点からはグリーグらしい温かみある個性を感じさせます。ノルウェーの民族性を象徴する独特の音階も丁寧に奏でています。

 

それから、どの楽器も明瞭に聴こえるよう気配りがキチンとなされています。様々な音色を聴き取って楽しむという管弦楽の醍醐味もしっかりと味わえるように演出しているのです。

 

短調のメロディとなる部分では作曲家の出身国らしい寒さを感じさせます。その一方で長調のメロディでは、ノルウェーの家庭における暖炉のような温かさがあります。それと同時に冷たくも心地よい潮風を思わせますし、その国らしさを十二部に感じられるように音作りがなされているのです。

 

因みに、この曲は1896年に元々ピアノの連弾用に作られました。その2年後に管弦楽への編曲がなされています。年齢的にはグリーグは43歳から45歳となっていて、作曲家として働き盛りだった頃の事です。それより前の1877年から自国の民俗音楽に傾倒していましたし、その学びの成果がこの曲にもしっかりと表れていると言えましょうか。

 

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