プロコフィエフ作曲の「束の間の幻影」を上原彩子さんのピアノで
プロコフィエフのピアノ曲集「束の間の幻影」を上原彩子さんのピアノで聴きました。全二十曲です。
この曲集は題名からして短いピアノ小曲の集まりですが、これらを淡く優しく弾いています。まさしく朧げな幻の音で再現しています。
ちょっとした時間の中に細やかで綺麗に光る水晶玉の光の様な妖しくギョロリとした音楽となっているのです。時として難しい技巧が鋭く発露する事もあり、プロコフィエフがピアニストとしても腕前の高かった事を窺わせます。
上原さん自身もふんわりと静寂を奏でる事もあれば、入り組んだ技法を難無く弾きこなして明晰に冴えた万華鏡の光の如き音の集合体を聴かせる事もやってのけています。
山椒は小粒ながらもピリリと辛いということわざがありますが、この演奏は小粒ながらもギラリと光るという表現が相応しいです。
この録音は2007年のもの、当時の上原さんは27歳と若手でした。私も2010年前半辺りに彼女の録音をいくつか聴いてます。その彼女も今や三児の母の39歳となりました。現在の彼女の演奏も聴いてみたいものです。
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