シャブリエのピアノ作品集を聴いてます。

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シャブリエのピアノ作品集をピエール・バルビゼの演奏で聴いてます。

 

シャブリエといえば、管弦楽曲の狂詩曲「スペイン」で有名です。しかしながら、彼の音楽活動において一番重要な分野はピアノ音楽でした。少年時代からピアノの才能を発揮、何せ40歳くらいになるまでは公務員をやってましたから。ピアノ作品の様に小さな規模の作品であれば趣味で作曲や音楽の勉強が出来ますし、シャブリエ周辺の人物も彼の事を才能あるアマチュア楽家と認識してました。しかしオーケストラの分野となりますと、本業との関係上あまり手を付けられないというのが現状だったのです。そこら辺はダブルワークで音楽家をやってたボロディンと同じですね。

 

官吏という公務員を辞めてからは音楽家を本業とするようになりました。それはミュンヘンワーグナーの歌劇「トリスタンとイゾルデ」に感銘を受けた為です。以降はその時の思い出にちなんだ曲もこのアルバムには入っています。音楽家に転身してから僅か14年でシャブリエは亡くなってしまいました。それはシャブリエがオーケストラの音楽やオペラ・ピアノ音楽を遺したものの、決して数は多くないもう1つの理由です。

 

さて、今回の彼のピアノ作品に話を戻しましょう。私はこの作曲家の管弦楽曲佐渡裕さん指揮の録音で聞いた事はありましたが、独奏ピアノの分野においてやはりシャブリエは自分の持ち味を十二分に発揮しているなと思います。和音の響きはドイツ的な豊潤さでシューマンの影響があるとはいえ、闊達な拍子とそれによる音の作りはシャブリエ独自のもので、ストラヴィンスキーに少なからず影響を与えたのかなと思います。

それに加えて繊細ながらも微妙な強弱の対比を行なっては、少しずつ曲調を盛り上げていく手法にも個性を感じさせます。その点ではショパンピアノ曲もしっかり学んだ印なのかなと思わせます。

 

そんなシャブリエのピアノ作品を、バルビエは芳しくも小刻みに鍵盤の鍵を駆けていく細やかさでもって奏でています。どれか一つの旋律が埋もれてしまう事の無いように、きめ細やかな対位法的な複数のメロディーを対等に鳴らせていますね。

 

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